第三文明への通路

 「第三文明への通路」の原稿は小笠原先生が昭和三十年代の前半に書かれ、昭和四十年に出版されたものですが、その中に見通された世界と日本の情勢の予想は、以後今日までの推移を見事に描き出されています。

 昭和三十年代、日本は漸く敗戦の荒廃から立ち上がろうとしていた時でした。その時すでに先生は日本の今日の経済的隆盛を予見し、更に今世紀中には世界の中心になる事を明言しているのです。

 そして最も重要なことは、日本がそうなった後で、日本民族が世界の歴史の中で本当の使命を遂行しなければならない事、その使命達成に不可欠なものが「日本語の中に秘められた言霊の原理である」と断言していることです。

 先生が亡くなる少し前に次の話をしみじみとして下さいました。

 「僕は長い間、人類の精神の至宝である言霊の学問をして来ました。またその原理の立場から日本と世界の歴史の筋道を知り、今後の世界がどう動いて行くか、どう対応しなければならないか、を率直に発表して来ました。この予言はいわゆる霊感でも何でもなく、言霊の原理から見た合理的な結論です。…とは言っても発表した本人自身、絶対の自信とか証明を持っているわけではないのです。若し誤って人の心を迷わしはしないか、何度も何度も反省しました。どんなに反省してもこの歴史の見通しに誤りを見い出しませんでした。島田さん、 『第三文明への通路』で発表した世界の歴史の将来は本当です。」

 先生が誰にも告げられる言葉は「言霊の原理は“値なくして与えられたのですから、値なくして人々に与えよ”ですよ」でありました。

 今機、HPを刷新するにあたり、印刷すると日英見開きのPDFファイルに編集作成いたしました。PDFの場合は‘しおり’をご利用ください。